「図表を含む論理的文章教材の学習指導に関する基礎的研究 ―高等学校国語科教科書「国語表現」「国語総合」等を中心に―」
高等学校の国語教科書の図表教材の特徴を明らかにするため、昭和58年から平成30年の全社の教科書(「国語表現」「国語総合」)を調査したところ、のべ81教材があった。小・中学校とは異なり、すでに平成11年の学習指導要領改訂の前後から対象教材が増加していることが分かった。過去には、図表の扱いが参考資料としてのものが多かったが、近年の改訂版では、図表を根拠に自分の主張を展開していく教材が増加していた。ただし、小・中学校と同様に、論述過程に課題がある。特に、自分の考えの対象化が弱いという傾向が見られた。
「国語教育研究」 第60号(広島大学国語教育会)