高校入試問題で出題された「図表を用いた作文問題」を取り上げて、「自分の考え」をどのように書かせようとしているかを調査した。課題作文の文種を分類すると、関口(2014)の指摘するとおり、「感想・意見文」が大半を占め、批判的思考を伴う「議論文」が少ないことが分かった。2013年度以降の問題には、対比的な関係にある意見が示されたもの、理由の記述に異論の理由を否定する内容を書かせるもの、対比的な表現を用いて書かせるものなど、批判的な思考に近づく内容を扱った問題が出題されつつあることが分かった。これらの問題は、練習作文教材として大きな可能性を秘めている。