岑参の文学
・岑参の全作品を対象に一時索引を編纂しながら同時代以前の作品やその用語と比較し、その分析を元に柱を立てて考察した。岑参は自ら官吏として辺塞に赴いた体験を持ち、実際に目にした光景をルポルタージュのように描いた歌行体の詩とそこでの感慨を詠じた絶句に特色があるとされる。しかしそれだけではなく、平易な表現の日常の作品にあっても、対称の捉え方や比喩表現、用語の選択等々、特異性が多々あることを明らかにした。
広島大学大学院文学研究科