本稿は、シャトルカードの活用が大学授業の実施にどのような影響を与えるのか、またその実施の在り方と定期試験後になされる成績評価がどのように関わっているのか、という問題について、授業実践に基づくデータの中から具体的に明らかにすることを目指した。2016年度前期開講の「日本経済史Ⅰ」のデータの分析から、シャトルカードの導入は、記載内容・方法を工夫し、教員が文章添削の労力を投入するならば、学生の学力向上と知識定着を促し、文章作成能力が改善されることにより、定期試験での成績向上、ひいては成績評価の向上に繋がるものであったと結論した。