「財団法人義倉文書」の生成と伝来―組織アーカイブスの視角から―
本稿は、アーカイブス学の立場から、福山市における有数の歴史文書のコレクションの一つである「財団法人義倉文書」について、その生成と伝来の特徴を考察した。本稿の結論は以下の通り。福山市における有数の歴史文書コレクションである「財団法人義倉文書」は、組織運営の試行錯誤の中で文書生成の在り方をも変化させ、文書体系を分化/整備させていったのであり、その伝来においては、作成時期や重要度に応じて保管方法を区別したと想定される故に、文書の現存の度合いも異なるという特徴を持つに至った。
アーカイブスふくやま
第8号