馬上の英雄-ヘミングウェイ文学の原体験(査読なし)
本論は、ヘミングウェイ初期の短編「ぼくの父」を「競走馬のモチーフ」、「父と子の関係」、「イニシエーション」という視点から論じたものである。アメリカの神話化、及び脱神話化という現象を浮き彫りにし、ヘミングウェイ文学を覆う「虚無」の概念の原体験ともなるべきものが、イニシエーションの不全性として本作に既に刻み込まれていることを明らかにした。
『広島経済大学経済論集』
第40巻
第3号