数学教育雑誌『数学教育』への寄稿である。中学校1年「資料の活用」の単元における授業提案を行った。2名のボーリング選手の成績が度数分布表で示された状況で,どちらの選手が勝つかを予測する授業において,判断材料として数値シミュレーションを行う展開を紹介した。新しい指導要領においては,このような価値判断場面においては,限られた情報から判断を下すよりもむしろ,新たな情報を集めようとしたり,よりよい考察方法を考えようとすることの重要性が指摘されている。本提案においては,生徒が新たな考察方法の一つとして数値シミュレーションという手法を獲得することを目的として提案したものである。