微生物のコロニー形成において、空間移動,走化成物質の分泌,養分の接種,増殖と言った効果があるバランスをとったとき,自己組織化のもとで幾何学的に制御されたパターンを形成することをマクロモデルの導出そしてシミュレーション解析によって理論的な解明を行った。
Budrene,Berg(1991,1995)がNatureにおいて報告した大腸菌コロニーの幾何学的パターン(pseud-rectangular pattern,pseudo-hexagonal pattern,chevron-like pattern)を数理モデルで再現したのは本稿が初である。当然そのメカニズムについても議論されておらず,その点で新規性がある。