本稿は、コロナ禍を経た地域企業のサスティナブルな経営の在り方を、広島県中小企業家同友会福山支部の協力を得て2020年から実施してきたアンケート調査の結果を踏まえて考察したものである。その結果、地域の中小企業がコロナ禍の負の影響から脱却しえていないこと、中長期的な事業継承計画(BCP)の策定などのリスクマネジメントが必要性に応じて臨機応変に実施されること、コロナ禍の影響と事業継続意欲間の関係が大きくないことが示唆された。そして、地域の中小企業のサステナブル経営の在り方として、いち企業の枠を超えて、地域社会全体でサステナブルな経営への取り組みをサポートしていく必要があること、社会的な存在であることを、経営者が強く意識する必要があると結論づけた。